logo
あなたの歯のお悩みを解決歯科医師が考える理想の口腔ケア
専門家コラム2026-11-02約5分

歯科のレントゲン・CTは被ばくが心配?線量をやさしく比較

歯科のレントゲン・CTは被ばくが心配?線量をやさしく比較

歯科のレントゲン・CTは被ばくが心配?線量をやさしく比較

歯科医院で「レントゲンを撮りますね」と言われたとき,「被ばくは大丈夫かな?」「妊娠中でも平気?」と不安に感じたことはありませんか?とくに最近はCT撮影をおすすめされることも増えてきました。この記事では,歯科で使うレントゲンやCTの被ばく量を,日常生活で浴びる放射線と比べながら,やさしくご説明します。

そもそも「被ばく」ってなに?

私たちは普段の生活の中でも,宇宙や大地,食べ物などから自然に放射線を浴びています。これを「自然放射線」と呼び,日本では平均して1年あたり約2.1ミリシーベルト(mSv)ほどを浴びているといわれています。

放射線の量を表す単位は「シーベルト(Sv)」で,歯科で扱う量はごくわずかなので「マイクロシーベルト(μSv)」という小さな単位で表します。1ミリシーベルト=1,000マイクロシーベルトです。

歯科レントゲン・CTの線量をくらべてみましょう

歯科で使う主な撮影方法の線量の目安を,表にまとめました。

撮影の種類線量の目安主な用途
デンタル(小さい部分撮影)約1〜10μSvむし歯・歯の根の確認
パノラマ(お口全体)約10〜30μSv全体のチェック・親知らず
歯科用CT(コーンビームCT)約30〜100μSvインプラント・親知らず・根の治療
(参考)医科用CT(胸部など)約5,000〜10,000μSv内科等の精密検査
(参考)東京〜ニューヨーク往復飛行機約200μSv宇宙からの放射線
(参考)日本の自然放射線(1年間)約2,100μSv生活環境

こうして見ると,歯科のデンタル撮影1枚は,飛行機で数十分フライトする程度の線量にしかなりません。歯科用CTも,医科用CTと比べるとかなり少ないことがわかります。

よくあるご質問

Q.何枚も撮って平気ですか?

1回の診療で複数枚撮影することもありますが,それでも年間の自然放射線量と比べればごく少量です。必要な回数を守って撮影していますので,過度に心配される必要はありません。

Q.妊娠中でも撮影できますか?

歯科の撮影部位はお口まわりで,お腹とは離れています。さらに防護エプロンを着用しますので,胎児への影響はきわめて少ないと考えられています。ただし妊娠中は,急を要しない撮影は時期をずらすことも多いので,必ず歯科医師にご相談ください。

Q.子どもに撮っても大丈夫?

お子さんの撮影でも,必要な範囲に限って行いますし,防護エプロンや甲状腺防護カラーなどを使って配慮しています。心配なことは遠慮なくお尋ねください。

被ばくを減らすための工夫

  • 防護エプロン・甲状腺防護カラーの使用
  • デジタル撮影機器による線量の低減(従来のフィルムより大幅に少ない線量で撮影可能)
  • 必要最小限の範囲・回数での撮影
  • CTは「必要なときだけ」撮影

撮影にかかる費用と期間の目安

気になる費用についてもご案内します。

  • デンタル撮影:保険適用で約60〜100円(3割負担の場合)
  • パノラマ撮影:保険適用で約400〜1,200円(3割負担の場合)
  • 歯科用CT:保険適用の場合は約1,000〜3,500円(3割負担)。インプラント目的など自費の場合は約5,000〜20,000円が目安です。

撮影そのものにかかる時間は,デンタルで数十秒,パノラマで約15秒前後,歯科用CTでも10〜30秒程度で終わります。結果の説明も含めて,通常はその日のうちにご案内できます。治療の経過観察で再撮影が必要になる場合は,数か月〜1年ごとなど,症状に応じて間隔をあけて行うことが一般的です。

まとめ

歯科のレントゲン・CTは,正しい診断と安全な治療のためにとても大切な検査です。線量は自然放射線や飛行機での被ばくと比べてもごくわずかで,防護対策もしっかり行われています。

とはいえ,一人ひとり体の状態や妊娠の有無,過去の医療被ばくの状況は違います。少しでも不安があれば,撮影前に必ず歯科医師にご相談ください。納得したうえで検査を受けていただくことが,安心につながります。

参考情報

  • 厚生労働省「医療被ばくの適正管理に関する情報」
  • 環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」
  • 日本歯科医師会「歯科診療とX線撮影について」
  • 日本歯科放射線学会「歯科におけるコーンビームCT 臨床画像診断ガイドライン」
  • 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告

⚕️ 医療情報についてのご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。

歯

監修:岡村 裕彦(歯科医師・大学教授)|所属・経歴はプロフィールへ ›

本サイトは所属機関の公式見解ではありません。

👑 よく読まれている記事

  1. 1歯が急に痛くなった!応急処置と休日診療所の探し方・電話で伝える内容
  2. 2歯周病の治療費と期間|保険適用の範囲と通院回数の目安
  3. 3奥歯が欠けた!治療方法・費用・期間をわかりやすく解説
  4. 4音波歯ブラシと超音波歯ブラシの違いとは?選び方とおすすめ製品
  5. 5デンタルフロスは安い?プチプラ品で1日10円台|歯科医師がコスパで比較