矯正中の食事制限と注意点|食べてはいけないものと食べやすいメニュー

矯正中の食事制限と注意点|食べてはいけないものと食べやすいメニュー
こんにちは。歯科医師です。矯正治療を始めると,多くの患者さんから「何を食べていいの?」「装置が外れたらどうしよう…」というご相談をいただきます。せっかく決意して始めた矯正治療,食事のたびに不安を感じるのはつらいですよね。
今回は,矯正中の食事で気をつけたいことや,食べやすいおすすめメニューを,患者さんの目線でわかりやすくお伝えしていきます。
矯正治療の基本情報をおさらい
治療期間の目安
- ワイヤー矯正(表側・裏側):おおむね2〜3年(その後,保定期間が2年程度)
- マウスピース矯正(インビザライン等):軽度なら半年〜1年,全顎なら2〜3年
- 部分矯正:数ヶ月〜1年程度
費用の目安(基本的に自費診療です)
矯正治療は,唇顎口蓋裂など一部の先天性疾患を除き,原則自由診療(保険適用外)となります。
| 治療方法 | 費用の目安 |
|---|---|
| ワイヤー矯正(表側) | 60万〜100万円 |
| 裏側矯正(舌側) | 100万〜150万円 |
| マウスピース矯正 | 30万〜100万円 |
| 部分矯正 | 10万〜40万円 |
※調整料(毎月3,000〜5,000円程度)が別途かかる医院もあります。
矯正中に「食べてはいけないもの・注意したいもの」
特にワイヤー矯正をしている方は,装置の破損や脱離を防ぐために食事内容に注意が必要です。
1. 硬いもの(装置が壊れやすい)
- おせんべい,フランスパン,ナッツ類
- 氷,飴を噛む行為
- 骨付き肉,りんごの丸かじり
2. 粘着性のあるもの(装置にくっつく)
- キャラメル,ガム,ハイチュウ
- お餅,グミ
3. 着色しやすいもの(特にマウスピース・透明装置の方)
- カレー,ミートソース
- コーヒー,紅茶,赤ワイン
- キムチ,ターメリックを使った料理
4. 繊維が挟まりやすいもの
ほうれん草,もやし,ニラ,えのきなどは装置に絡まりやすいので,食後の歯磨きを念入りに行いましょう。
マウスピース矯正の方への注意点
マウスピース矯正は装置を外して食事ができるのが大きなメリットです。ただし,以下の点にご注意ください。
- 装置をつけたまま飲食しない(水以外)。色素沈着や虫歯リスクが上がります。
- 食後は必ず歯を磨いてから装着する
- 1日20〜22時間の装着時間を守るため,間食はできるだけ控える
痛いときに食べやすい!おすすめメニュー
矯正の調整直後(最初の3〜5日)は歯が浮くような痛みが出やすく,硬いものを噛むのがつらいものです。そんなときは以下のような「やわらかメニュー」がおすすめです。
主食
- おかゆ,雑炊,リゾット
- うどん,にゅうめん
- オートミール
主菜・副菜
- 豆腐,茶碗蒸し,卵料理
- 白身魚の煮付け,ハンバーグ(やわらかめ)
- ポトフ,シチュー,ミネストローネ
- マッシュポテト,かぼちゃの煮物
デザート・間食
- ヨーグルト,プリン,ゼリー
- バナナ,すりおろしりんご
- スムージー
食事のあとに必ずしてほしいこと
矯正中は虫歯・歯肉炎のリスクが通常より上がります。次の3つを習慣にしましょう。
- 毎食後の歯みがき(特に装置のまわり)
- 歯間ブラシ・タフトブラシ・フロスの併用
- フッ素入り歯磨剤や洗口液の活用
外出先で歯みがきできないときのために,携帯用歯ブラシセットをかばんに入れておくと安心です。装置まわりのピンポイント清掃にはワンタフトブラシ,仕上げにはジェットウォッシャーも役立ちます。
🦷 記事内で紹介したケアグッズ
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装置が外れた・ワイヤーが飛び出した場合
「ブラケットが取れた」「ワイヤーが頬に刺さる」といったトラブルは,矯正中に意外とよくあります。放置すると治療計画に影響しますので,できるだけ早く担当医に連絡してください。応急処置として矯正用ワックスを装置に貼ると,頬への刺激を抑えられます。
まとめ
矯正中の食事は,最初こそ「あれもダメ,これもダメ」と感じるかもしれませんが,コツをつかめば工夫しながら楽しめます。痛みがある時期は無理せずやわらかいものを,慣れてきたら少しずつ普段のメニューに戻していきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。お口の状態や装置の種類によって注意点は異なりますので,具体的な食事制限や不安な点は,必ずかかりつけの歯科医師にご相談ください。
🔬 専門家のひとこと|歯科医師より
インプラントやマウスピース矯正は,適応症と患者さんのデンタルIQが必要です。やたらに勧める歯医者は危険。治療方針をしっかり説明する歯科医院を選んでください。また,治療と同じくらい大切なのが毎日の口腔ケアです。高いインプラントや詰め物をしても,口腔ケアがおろそかになれば2〜3年で脱落することもあります。矯正も,ケアを怠って虫歯や歯周病になってしまえば意味がありません。
⚕️ 医療情報についてのご注意
本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。
参考情報
- 厚生労働省「e-ヘルスネット:歯と口の健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - 日本歯科医師会「テーマパーク8020」
https://www.jda.or.jp/park/ - 公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療を始める方へ」
https://www.jos.gr.jp/ - 日本臨床矯正歯科医会
https://www.orthod.or.jp/ - Zheng M, et al. "Caries risk in orthodontic patients: A systematic review." European Journal of Orthodontics, 2013.
監修:現役の歯科医師|監修・編集方針を見る ›
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