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専門家コラム2026-08-316

親知らずはなぜ生える?なぜ斜めに生えるのか|名前の由来も解説

親知らずはなぜ生える?なぜ斜めに生えるのか|名前の由来も解説

「親知らず」という名前,一度は耳にしたことがありますよね。でも,「そもそもなぜ生えてくるの?」「どうして斜めや横向きに生えることが多いの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。今回は,親知らずにまつわる素朴なギモンを,やさしく解説していきます。

そもそも「親知らず」ってどんな歯?

親知らずは,前から数えて8番目にあたる歯で,正式には「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」または「智歯(ちし)」と呼ばれます。上下左右あわせて最大4本ありますが,人によっては1本もない方もいらっしゃいます。

生えてくる時期は,一般的に10代後半から20代前半ごろ。ちょうど大人になり始める頃に,お口の一番奥からひょっこりと顔を出すことが多い歯なのです。

「親知らず」という名前の由来

「親知らず」というちょっと不思議な名前には,いくつかの説があります。

  • 親が知らないうちに生えてくる説:昔は寿命が短く,子どもが親元を離れて自立したあと,親が気づかないうちに生えてくる歯だったため,「親が知らない歯」と呼ばれるようになったといわれています。
  • 親の元を離れる頃に生える説:成人し,親から独立する時期に生えることから名づけられたという説もあります。

ちなみに英語では「wisdom tooth(知恵の歯)」と呼ばれます。分別がつく年齢になってから生えてくることが由来だそうです。世界中で似たようなイメージを持たれているのは,なんだか面白いですね。

親知らずはなぜ生えるの?

親知らずは,かつて人類にとって必要な歯でした。硬いものや繊維質の多い食べものをすりつぶすために,大きな奥歯がたくさん必要だったのです。

ところが,時代とともに食生活は柔らかいものが中心になり,あごの骨は少しずつ小さく細くなっていきました。一方で,親知らずは進化のスピードに追いつかず,今も生えてくる仕組みだけが残っているのです。

つまり親知らずは,昔の名残として現代人にも受け継がれている,いわば「進化の途中にある歯」といえます。

なぜ斜めや横向きに生えるの?

患者さんからよく聞かれるのが,「どうしてまっすぐ生えないんですか?」というご質問です。理由はシンプルで,あごのスペースが足りないからです。

先ほどお話ししたように,現代人のあごは小さくなってきています。そのため,一番最後に生えてくる親知らずは,スペースを確保できず,次のような生え方になることが多いのです。

  • 斜めに傾いて生える
  • 真横に倒れて生える(水平埋伏)
  • 歯ぐきの中に埋まったまま出てこない(埋伏歯)
  • 一部分だけ顔を出す(半埋伏)

斜めに生えると起こりやすいトラブル

斜めや横向きの親知らずは,見た目だけの問題ではありません。以下のようなトラブルの原因になることがあります。

  1. むし歯:手前の歯との隙間に汚れがたまりやすく,親知らず自身も手前の歯もむし歯になりやすくなります。
  2. 歯ぐきの腫れ・痛み(智歯周囲炎):歯ぐきの中に汚れや細菌がたまり,炎症を起こします。
  3. 口臭:磨きにくいため,におい物質が発生しやすくなります。
  4. 歯並びへの影響:手前の歯を押して,かみ合わせに影響が出ることがあります。

親知らずは必ず抜くべき?

「親知らずは抜くもの」というイメージがありますが,必ずしもそうではありません。以下のような場合は,抜かずに残すこともあります。

  • まっすぐ生えていて,きちんと噛み合っている
  • 歯みがきがしっかりできて,むし歯や歯周病になっていない
  • 将来的に移植歯(ドナー歯)として活用できる可能性がある

逆に,痛みや腫れをくり返す,斜めに生えて手前の歯に悪影響がある,といった場合は抜歯を検討します。判断は個人差が大きいため,まずはレントゲンやCTでの検査が大切です。

抜歯の費用と期間の目安

親知らずの抜歯は,一般的に健康保険が適用されます。目安をまとめました。

生え方費用の目安(3割負担)治療期間の目安
まっすぐ生えている約2,000〜3,000円抜歯当日〜1週間程度
斜め・一部埋伏約3,000〜5,000円抜歯後1〜2週間ほどで治癒
完全埋伏・水平埋伏約4,000〜6,000円2〜4週間程度で落ち着く

これらに初診料・レントゲン・薬代などが加わり,総額でおおむね3,000円〜10,000円程度になることが多いです。難しいケースで大学病院や口腔外科を紹介された場合は,別途紹介状の費用がかかることもあります。なお,美容目的など保険適用外となるケースでは自費診療となります。

まとめ

親知らずは,人類の進化の名残として今も生えてくる歯です。あごが小さくなった現代人にとってはスペース不足のため,斜めや横向きに生えやすく,トラブルの原因になることも少なくありません。

ただし,すべての親知らずを抜く必要はなく,生え方や状態によって対応は変わります。「痛みはないけど気になる」「腫れをくり返している」といった方は,自己判断せず,必ず歯科医師にご相談ください。レントゲン検査などで状態を確認したうえで,あなたに合った方針を一緒に考えていきましょう。

参考情報

  • 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に関する情報」
  • 日本歯科医師会「テーマパーク8020」親知らずに関する解説ページ
  • 日本口腔外科学会「口腔外科相談室:親知らず(智歯)」
  • 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 関連資料

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり,個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療方針については,必ずかかりつけの歯科医師にご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。

監修:現役の歯科医師|監修・編集方針を見る ›

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