歯周病の簡単な見分け方|鏡で見るポイントと歯科検診の目安

歯周病の簡単な見分け方|鏡で見るポイントと歯科検診の目安
歯周病は,痛みが出てから気づく病気だと思われがちですが,実際には「痛くないまま進む」ことが少なくありません。初期の歯肉炎では,歯ぐきが赤く腫れたり,歯みがきやフロスで血が出たりします。進行して歯周炎になると,歯を支える骨や組織が壊れ,歯周ポケットが深くなったり,歯が動いたり,口臭が強くなったりします。
30代を超えたら「自分は関係ない」と思わないこと
まず覚えておきたいのは,30代を超えたら「自分は関係ない」と思わないことです。厚生労働省の令和4年歯科疾患実態調査でも,4mm以上の歯周ポケットを持つ人は30代前後から珍しくありません。感覚としては,30代以降は何かしらの歯肉炎・歯周炎がある前提で,3〜6か月ごとの歯科検診を受けるくらいが安全です。
歯周ポケットは自分では正確に測れない
歯周病があるかどうかを正確に知るには,歯科医院で歯と歯ぐきの間の「歯周ポケット」を測る必要があります。専用の器具で測る検査で,健康な状態ではポケットは浅く,深くなるほど歯周病のサインになります。ただし,これは自分では正確に測れません。だからこそ,鏡で見える変化や日常の違和感を,受診のサインとして拾うことが大切です。

鏡で見るチェックポイント
1. 歯ぐきの形
家で見られるポイントは,まず歯ぐきの形です。健康な歯ぐきは引き締まっていて,歯と歯の間の歯ぐきはエッジのきいた三角形に近い形をしています。ところが炎症があると,歯ぐきがトマトのように赤く,ぷくっと腫れ,歯と歯の間の三角形の頂点が丸くなってきます。これはかなり見つけやすいサインです。
2. 歯の根元
次に,歯の根元を見てください。以前より歯が長く見える,歯の根っこが鏡で見えてきた,歯と歯のすき間が広がった気がする。こうした変化は,歯ぐきが下がっている可能性があります。強すぎる歯みがきでも起こりますが,歯周病の進行でも起こります。
3. 出血とにおい
出血も大切なサインです。普通に歯みがきをして血が出る,歯間ブラシやフロスで毎回のように血が出る場合,歯ぐきに炎症があるかもしれません。さらに,以前よりフロスが歯の周りのポケットに深く入る感じがする,フロスににおいがつく,口臭が増してきた,口の中に嫌な味が残る,といった変化も見逃さないでください。
進行するとどうなる?
進行すると,歯が浮いた感じがする,噛むと痛い,歯が揺れる,歯並びや噛み合わせが変わった気がする,歯ぐきから膿が出る,といった症状が出ることもあります。ここまで来ると,早めの受診が必要です。
⚠️ 知っておきたいこと(止める力)
ただし,歯周病は自分だけでは判断しきれません。歯ぐきが腫れていないように見えても,深いところでポケットが進んでいることがあります。逆に,出血や腫れがあっても,磨き方や体調,薬,妊娠,喫煙,糖尿病,ストレス,口呼吸,合わない被せ物,歯ぎしりなどが関係していることもあります。
大事なのは,「これは歯周病かどうか」を自分で決めることではありません。気になるサインを見つけたら,歯科医院で歯周ポケット,出血,歯石,歯の揺れ,レントゲンで骨の状態を確認してもらうことです。
厚生労働省の公式チェックリスト
厚生労働省「e-ヘルスネット」でも,歯周疾患の自覚症状として次の7項目がセルフチェックの目安として紹介されています。当てはまる項目があれば,歯科医院での検査を検討してください。
- 朝起きたときに,口のなかがネバネバする
- 歯みがきのときに出血する
- 硬いものが噛みにくい
- 口臭が気になる
- 歯肉がときどき腫れる
- 歯肉が下がって,歯と歯の間にすきまができてきた
- 歯がグラグラする
公式ページには「何個当てはまったら要注意」という明確な基準は示されていませんが,1つでも当てはまる場合は歯周病の可能性があるとして,検査の受診が勧められています。
まとめ
歯周病は,早く見つければコントロールしやすい病気です。鏡で歯ぐきの赤み・丸み・下がり方を見て,歯みがきやフロスの出血,口臭の変化に気づいたら,3〜6か月の定期検診を習慣にしていきましょう。
なお,実際に歯周病と診断された場合の治療費や通院回数の目安は,こちらの記事でまとめています。
本記事の内容は一般的な情報であり,個々の症状に対する診断は必ず歯科医師にご相談ください。
🔬 専門家のひとこと|歯科医師より
基本的に,30代を超えたら何かしらの歯肉炎・歯周炎があると思ってください。歯と歯肉の間のポケットを測るとわかりますが(専用の器具で),これは自分ではわかりにくいものです。ご自宅でのチェックポイントとしては,歯ぐきがトマトのように腫れていないか,歯と歯の間の本来エッジのきいた三角形の頂点が丸くなっていないか,歯の根っこが鏡で見えてきていないか,口臭が増えていないか,通常の歯みがきや歯間ブラシ・フロスで血が出ないか,フロスが以前よりも歯の周りのポケットに深く入るようになっていないか,を見てください。気になるサインがあれば,3〜6か月ごとの歯科検診を習慣にしましょう。
⚕️ 医療情報についてのご注意
本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。
参考情報
- 厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/ - 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周疾患の自覚症状とセルフチェック」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-003.html - 公益社団法人 日本歯科医師会「テーマパーク8020|歯周病」
https://www.jda.or.jp/park/ - NIDCR (National Institute of Dental and Craniofacial Research) "Periodontal (Gum) Disease"
https://www.nidcr.nih.gov/
監修:現役の歯科医師|監修・編集方針を見る ›
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