logo
あなたの歯のお悩みを解決歯科医師が考える理想の口腔ケア
専門家コラム2026-10-05約5分

口呼吸が歯並びと虫歯に与える影響|鼻呼吸に戻すトレーニング

口呼吸が歯並びと虫歯に与える影響|鼻呼吸に戻すトレーニング

口呼吸が歯並びと虫歯に悪影響?今日からできる鼻呼吸トレーニング

「気づくと口が開いている」「朝起きると喉がカラカラ」「子どもがいつもポカンと口を開けている」…こんなお悩みはありませんか?実はその口呼吸,お口の健康にじわじわとダメージを与えているかもしれません。今回は歯科医師の立場から,口呼吸が歯並びや虫歯に与える影響と,鼻呼吸に戻すためのトレーニングについてわかりやすくお伝えします。

口呼吸がもたらす3つのリスク

1. 歯並びが乱れやすくなる

お口を閉じているとき,本来は舌が上あごにぴたっとくっついています。この舌の圧力が上あごを広げ,きれいな歯並びのアーチをつくる手助けをしているのです。ところが口呼吸をしていると,舌の位置が下がり,上あごが十分に広がりません。その結果,

  • 出っ歯(上顎前突)
  • 開咬(前歯が噛み合わない)
  • 叢生(歯のガタガタ)

といった歯並びの乱れが起こりやすくなります。特にお子さんの成長期では影響が大きく,顔つき(アデノイド顔貌)にも関係することが知られています。

2. 虫歯・歯周病が増えやすい

お口の中が乾くと,唾液の自浄作用や抗菌作用が十分に働きません。唾液には歯の再石灰化を助ける働きもあるため,口呼吸でお口がカラカラの状態が続くと,虫歯菌・歯周病菌が活発化しやすくなります。「ちゃんと磨いているのに虫歯ができる」という方は,口呼吸が隠れた原因かもしれません。

3. 口臭・風邪・睡眠の質の低下

口呼吸ではウイルスや細菌をダイレクトに吸い込むため,風邪や扁桃炎にかかりやすくなります。また,いびきや睡眠時無呼吸との関連も指摘されており,日中の集中力低下にもつながります。

自分でできる口呼吸チェック

  • 日中,気づくと口が開いている
  • 朝起きると口や喉が乾いている
  • 唇がよく乾燥する・荒れる
  • いびきをかく
  • 下唇が厚ぼったい,上の前歯が乾いている

2つ以上当てはまる方は,口呼吸の習慣がある可能性が高いといえます。

鼻呼吸に戻すトレーニング(あいうべ体操・MFT)

あいうべ体操

口まわりと舌の筋肉を鍛える体操です。1日30回を目安にゆっくり行いましょう。

  1. 「あー」と大きく口を開ける
  2. 「いー」と口を横に広げる
  3. 「うー」と唇を前に突き出す
  4. 「べー」と舌を思いきり下に伸ばす

舌を正しい位置に置く(スポット)

舌先を上の前歯の少し後ろ(スポット)に置き,舌全体を上あごに吸い付けるようにします。これが本来の舌の定位置です。慣れるまでは意識的に続けてみてください。

就寝時の口閉じテープ

市販の口閉じテープを使うのも一つの方法です。ただし鼻づまりがある方は窒息のリスクがあるため,必ず耳鼻科や歯科で相談してから使用しましょう。

歯科での対応と費用・期間の目安

治療・トレーニング費用の目安期間の目安保険/自費
MFT(口腔筋機能療法)1回2,000〜5,000円程度6ヶ月〜2年原則自費(矯正に付随する場合あり)
小児の予防矯正(床矯正等)総額30万〜50万円程度1〜3年自費
本格矯正治療総額60万〜130万円程度2〜3年自費(一部疾患は保険適用)
虫歯治療(口腔乾燥由来含む)1,500〜3,500円/回程度1〜数回保険適用

※費用は医院や症例により異なります。鼻づまりが原因の場合は耳鼻咽喉科での治療(保険適用)が先に必要となることもあります。

まとめ

口呼吸は,歯並びの乱れ・虫歯・歯周病・口臭・睡眠の質の低下など,さまざまなトラブルの引き金になります。「あいうべ体操」や舌の位置の意識づけなど,今日から始められるトレーニングも多くありますので,まずはできることから習慣にしてみてください。ただし,鼻づまりや骨格的な問題が背景にあるケースもあります。気になる症状がある方は,自己判断せず必ず歯科医師にご相談ください。お子さんの場合は,成長期の早い段階で相談されることをおすすめします。

参考情報

  • 厚生労働省「e-ヘルスネット:歯と口の健康」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  • 日本歯科医師会「テーマパーク8020」https://www.jda.or.jp/park/
  • 日本口腔筋機能療法学会(MFT学会)関連資料
  • 今井一彰『「あいうべ体操」で免疫力アップ』関連論文
  • 日本小児歯科学会「小児の口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」

著者:歯科医師

⚕️ 医療情報についてのご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。

歯

監修:岡村 裕彦(歯科医師・岡山大学 教授)|監修・編集方針を見る ›

👑 よく読まれている記事

  1. 1歯が急に痛くなった!応急処置と休日診療所の探し方・電話で伝える内容
  2. 2歯周病の治療費と期間|保険適用の範囲と通院回数の目安
  3. 3奥歯が欠けた!治療方法・費用・期間をわかりやすく解説
  4. 4音波歯ブラシと超音波歯ブラシの違いとは?選び方とおすすめ製品
  5. 5デンタルフロスは安い?プチプラ品で1日10円台|歯科医師がコスパで比較