logo
あなたの歯のお悩みを解決歯科医師が考える理想の口腔ケア
専門家コラム2026-09-28約5分

歯茎が下がってきた|歯肉退縮の原因と進行を止める方法

歯茎が下がってきた|歯肉退縮の原因と進行を止める方法

歯茎が下がってきた気がする…それ「歯肉退縮」かもしれません

鏡を見て「なんだか歯が長くなった気がする」「歯の根元が黄色く見える」「冷たいものがしみる」と感じたことはありませんか? それは,歯茎が下がってきているサイン,いわゆる「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」かもしれません。

歯肉退縮は,年齢とともに少しずつ進むこともありますが,実は日々の習慣や歯周病が原因になっていることも多いのです。この記事では,歯茎が下がる原因と,進行を止めるためにできることを,やさしく解説していきます。

歯肉退縮とは?

歯肉退縮とは,歯を覆っている歯茎(歯肉)が本来の位置より下がってしまい,歯の根元(歯根)が露出してくる状態のことです。歯根はエナメル質に覆われておらず,やわらかい「セメント質」でできているため,むし歯や知覚過敏になりやすい部分でもあります。

こんなサインがあれば要注意

  • 歯が以前より長く見える
  • 歯と歯の間にすき間ができてきた
  • 冷たい水や風でしみる
  • 歯の根元が黄色っぽく見える
  • 歯茎から出血する,腫れぼったい

歯茎が下がる主な原因

1. 歯周病

もっとも多い原因が歯周病です。歯周病菌によって歯を支える骨(歯槽骨)が溶けると,それに伴って歯茎も下がっていきます。日本人の成人の多くが歯周病にかかっているというデータもあり,決して他人事ではありません。

2. 誤った歯みがき(オーバーブラッシング)

「しっかり磨かなきゃ」と力を入れすぎたり,硬い歯ブラシでゴシゴシ磨いたりすると,歯茎が傷ついて下がってしまうことがあります。

3. 噛み合わせや歯ぎしり・食いしばり

特定の歯に強い力がかかると,その周囲の歯茎が退縮しやすくなります。就寝中の歯ぎしりに気づかない方も多いです。

4. 加齢

年齢とともに歯茎の位置が少しずつ下がることもあります。ただし,加齢だけが原因とは限らないため,自己判断は避けましょう。

5. 矯正治療の影響

歯を動かす過程で,歯茎に負担がかかることもあります。

進行を止めるためにできること

セルフケアで気をつけたいこと

  • やわらかめ〜ふつうの歯ブラシを使う
  • 「ペンを持つように」やさしく持って磨く
  • 歯間ブラシやデンタルフロスで歯と歯の間もケアする
  • フッ素配合の歯みがき粉を使う
  • 力任せに磨かず,小刻みに動かす

歯科医院で受けられる治療

治療内容費用の目安期間の目安保険/自費
歯周基本治療(スケーリング・SRP)3,000〜10,000円程度1〜2か月(数回通院)保険適用
知覚過敏処置(コーティング等)数百〜1,000円程度/回1回〜保険適用
ナイトガード(マウスピース)3,000〜6,000円程度2〜3週間で完成保険適用
歯周外科手術(歯肉移植術など)50,000〜150,000円程度/歯数か月(治癒含む)自費が中心
再生療法(エムドゲイン等)50,000〜150,000円程度/部位6か月〜1年自費が中心

※費用は医療機関によって異なります。また,症状によっては保険適用範囲が変わることもあります。

下がった歯茎は元に戻るの?

正直にお伝えすると,一度下がってしまった歯茎が自然に元の位置まで戻ることは難しいのが現実です。ただし,これ以上の進行を止めることは十分に可能ですし,「歯肉移植術」などの外科的な処置で改善が期待できるケースもあります。

「もう手遅れかも」とあきらめる前に,まずは現在の状態をきちんと診てもらうことが大切です。

予防のためにできる3つの習慣

  1. 定期的な歯科検診(3〜6か月に1回):自分では気づかない歯周病の初期サインを見つけてもらえます。
  2. 正しいブラッシング指導を受ける:自己流ではなく,プロにチェックしてもらうと安心です。
  3. 生活習慣の見直し:喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因です。ストレスや睡眠不足にも気を配りましょう。

おわりに

歯茎が下がってきたと感じたら,それは体からの大切なサインです。放置すると歯を失うことにもつながりかねませんが,早めに対処すればお口の健康を長く保つことができます。

この記事は一般的な情報をお伝えするものです。症状や治療方針は一人ひとり異なりますので,気になる症状がある方は自己判断せず,必ず歯科医師にご相談ください。

参考情報

  • 厚生労働省「e-ヘルスネット:歯周病」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  • 日本歯科医師会「テーマパーク8020:歯周病」
    https://www.jda.or.jp/park/
  • 日本歯周病学会「歯周病の診断と治療のガイドライン」
    https://www.perio.jp/
  • 厚生労働省「歯科疾患実態調査」

著者:歯科医師

⚕️ 医療情報についてのご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。

歯

監修:岡村 裕彦(歯科医師・岡山大学 教授)|監修・編集方針を見る ›

👑 よく読まれている記事

  1. 1歯が急に痛くなった!応急処置と休日診療所の探し方・電話で伝える内容
  2. 2歯周病の治療費と期間|保険適用の範囲と通院回数の目安
  3. 3奥歯が欠けた!治療方法・費用・期間をわかりやすく解説
  4. 4音波歯ブラシと超音波歯ブラシの違いとは?選び方とおすすめ製品
  5. 5デンタルフロスは安い?1日10円台のコスパ最強品|歯科医師解説