矯正後に後戻りした!リテーナーとやり直し矯正について

「せっかく矯正で歯並びをきれいにしたのに,気づいたら少し戻ってきてしまった…」そんなお悩みを抱えていませんか?矯正治療後の「後戻り」は,実は多くの方が経験する現象です。今回は,後戻りが起こる理由や,リテーナー(保定装置)の役割,やり直し矯正(再矯正)について,わかりやすくお伝えします。
矯正後に「後戻り」が起こるのはなぜ?
矯正治療で動かした歯は,実はしばらくの間,元の位置に戻ろうとする性質を持っています。歯を支えている歯根膜や歯茎の繊維,あごの骨が新しい位置に安定するまでには時間がかかるためです。
特に後戻りが起こりやすいタイミングや原因には,次のようなものがあります。
- 矯正終了直後(歯の周囲組織がまだ安定していない時期)
- リテーナーの装着時間が不足している
- 親知らずの影響で歯列が押される
- 加齢による自然な歯列の変化
- 舌で歯を押す癖,口呼吸,頬杖などの生活習慣
リテーナー(保定装置)の役割と種類
リテーナーは,動かした歯を新しい位置にとどめておくための装置です。矯正装置を外した後の「保定期間」に使用します。保定を怠ると,後戻りのリスクが高くなってしまいます。
主なリテーナーの種類
| 種類 | 特徴 | 費用の目安(自費) |
|---|---|---|
| マウスピース型(クリアリテーナー) | 透明で目立ちにくい。取り外し可能 | 片顎 15,000〜40,000円程度 |
| ワイヤー型(ホーレータイプ) | 耐久性が高い。前歯の細かい調整が可能 | 片顎 25,000〜50,000円程度 |
| 固定式(フィックスタイプ) | 歯の裏側にワイヤーを接着。装着し忘れの心配なし | 片顎 20,000〜50,000円程度 |
※上記はあくまで目安で,リテーナーは基本的に自費診療となります。医療機関によって金額は異なりますので,通院先でご確認ください。
リテーナーはどれくらいの期間使うの?
一般的には,矯正装置を外してから最初の半年〜1年は1日20時間程度,その後は徐々に装着時間を減らし,就寝時のみに切り替えていきます。ただし,後戻りを防ぐためには数年〜生涯にわたって夜間だけでも使い続けることをおすすめされるケースも増えています。
後戻りしてしまった場合の対処法
「もう戻ってしまったけれど,どうすればいい?」という方に,選択肢をご紹介します。
1. 軽度の後戻り:リテーナーの作り直し・部分矯正
ほんの少しだけズレた程度であれば,新しいリテーナーを作り直して装着し直すことで対応できる場合があります。もう少し動きがある場合は,「部分矯正」で気になる箇所だけ整える方法もあります。
- 費用の目安(自費):100,000〜500,000円程度
- 治療期間の目安:3ヶ月〜1年程度
2. 中〜重度の後戻り:やり直し矯正(再矯正)
全体的に歯並びが崩れてしまった場合は,ワイヤー矯正やマウスピース矯正で再治療を行います。
- 費用の目安(自費):600,000〜1,200,000円程度(最初の矯正より割引がある医院もあります)
- 治療期間の目安:1〜3年程度(当初の治療より短くなるケースも)
※矯正治療は原則として健康保険の適用外(自費診療)です。ただし,顎変形症や特定の先天疾患など,一部の症例では保険適用となる場合があります。
後戻りを防ぐために,日常でできること
- 歯科医師に指示された時間,しっかりリテーナーを装着する
- 定期的にメンテナンスに通う(半年に1回程度)
- 舌で歯を押す・頬杖などの癖を意識して直す
- 親知らずの状態を定期的にチェックする
- リテーナーが割れた・合わなくなったら早めに相談する
まとめ
矯正後の後戻りは,決して珍しいことではありません。リテーナーをきちんと使い続けること,そして違和感を感じたら早めに歯科医院に相談することが,きれいな歯並びを長く保つポイントです。後戻りしてしまっても,部分矯正やマウスピース矯正など,症状に応じた対処法があります。
ご自身の歯並びやリテーナーの状態が気になる方は,自己判断せず,必ず歯科医師にご相談ください。一人ひとりのお口の状態に合わせた,最適な方法をご提案いたします。
⚕️ 医療情報についてのご注意
本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。
参考情報
- 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に関する情報」
- 公益社団法人 日本歯科医師会「テーマパーク8020」
- 公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療に関する情報提供」
- 医療広告ガイドライン(厚生労働省)
監修:現役の歯科医師|監修・編集方針を見る ›
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