デンタルフロスの正しい使い方|歯科医師が教える4ステップ
監修:現役の歯科医師
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フロスは「正しく使えるか」で効果が決まります
デンタルフロスは,歯ブラシでは届かない歯と歯の間の汚れを落とす,虫歯・歯周病予防の要です。ただし外来では,使い方が原因で歯ぐきを傷めてしまっている方を本当によく見かけます。この記事では,歯科医師が日々の診療で患者さんに伝えている手順を,4つのステップに分けて解説します。
ステップ1:フロスを60〜80cm出す

「そんなに長く?」と驚かれますが,これには理由があります。同じ場所を使い回すと,前の歯間で付いた細菌を次の歯ぐきに押し込むことになるからです。歯間ごとに使う部分をずらしていくため,歯が20本以上残っている方なら60〜80cmが目安です。清掃する歯の本数が少ない方は,それに応じて短くてかまいません。
ステップ2:右端から右の人差し指に2周ほど巻く

フロスの右端を,右手の人差し指に2周ほど巻き付けます。きつく巻く必要はありません。指先がうっ血しない程度に,ずれない程度で十分です。
ステップ3:左の人差し指にも2周巻き,指の間を1〜2cmに調節する

続いて左手の人差し指にも2周ほど巻き付け,左右の指の間に残るフロスが1〜2cmくらいになるよう調節します。この「短くピンと張った状態」がコントロールの要で,長すぎるとフロスが暴れて歯ぐきを傷つけやすくなります。
ステップ4:歯面に「沿わせて」やさしく入れ,歯の面を磨く

いちばん大切なステップです。フロスを歯と歯の間にまっすぐ押し込むのではなく,歯の側面に沿わせるようにゆっくり入れます(ノコギリを引くような小さな動きで)。入ったら,歯の面にC字を描くように沿わせて上下にやさしく動かし,歯の「面」を磨くイメージで汚れを落とします。強く歯ぐきの際に押し付けないでください。
1つの歯間が終わったら,指のフロスを少し巻き取って新しい部分で次の歯間へ。これを繰り返します。
いつやる?——おすすめは夜,寝る前
夜間は唾液の分泌が減り,細菌が最も増えやすい時間帯です。朝の忙しい時間と違ってゆっくり時間を取れるので,1日1回やるなら夜の歯みがき後がおすすめです。
よくあるつまずきと対処
- 血が出る:使い始めは歯ぐきが敏感で出血しやすいものです。ただし2週間続けても出血が続く場合は歯周病のサインの可能性があるため,歯科医院で相談してください
- 指に巻くのが難しい:高齢の方や,ご家族が介助してケアする場合は,巻き付け不要のY字ホルダー型が扱いやすくおすすめです
- フロスが切れる・引っかかる:詰め物の縁が欠けていたり虫歯があるサインのことも。場所が決まって引っかかるなら受診を
どのフロスを使えばいい?
歯科医師が診療で勧めることが多いのは「GUM(ガム)」のロールタイプ・スポンジ型(水分で膨らむタイプ)です。100円ショップなどの格安品は品質にばらつきが多く,切れやすいためおすすめしていません。
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製品ごとのコスパ比較・タイプ別の選び方は,こちらの記事で詳しく解説しています。
→ デンタルフロスのコスパが良いのはどれ?使い方別おすすめ製品を比較
まとめ:4ステップだけ覚えれば大丈夫
- フロスを60〜80cm出す(歯の本数に応じて調節)
- 右端から右の人差し指に2周巻く
- 左の人差し指にも2周巻き,指の間を1〜2cmに調節
- 歯面に沿わせてやさしく入れ,C字で歯の面を磨く。歯間ごとに新しい部分を使う
正しい使い方は文章だけでは掴みにくい部分もあります。定期検診の際に歯科衛生士に「フロスの使い方を見てほしい」と伝えれば,あなたの口に合わせて指導してもらえます(保険適用)。ぜひ活用してください。
参考情報
- 厚生労働省「e-ヘルスネット 歯間部清掃用器具(デンタルフロス,歯間ブラシ)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - 日本歯科医師会「テーマパーク8020」
https://www.jda.or.jp/park/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の症状・治療については必ず歯科医師にご相談ください。
🔬 専門家のひとこと|歯科医師より
外来でも,フロスで歯ぐきを傷めてしまう方をよく見ます。コツは“通す”より“沿わせる”こと。同じ場所を使うとばい菌を歯ぐきに押し込むことになるので,1回で60〜80cmくらい使い,歯間ごとに新しい部分をあてるのが基本です。タイミングは夜寝る前。夜間は最も細菌が増えやすく,時間もゆっくり取れるので,よりきれいに取れます。
⚕️ 医療情報についてのご注意
本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。
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